あらすじ
後宮で毒味役を務める、食べることが何より大好きなぽっちゃり宮女・明月。
毎日美味しい料理を食べられる毒味役は、彼女にとってまさに天職だった。
「うーん、おかわり!」
「どこの世界におかわりを所望する毒味役がいるかっての!」
上司である桂英に叱られながらも、今日も明月は幸せいっぱいに料理を頬張っている。
そんな折、明月は主人である賢妃・清蘭から、後宮で一人の妃とその侍女が相次いで倒れたという話を聞く。
疑われたのは、二人の食事を作った料理人。
誰もが毒殺未遂を疑う中、明月だけは事件に奇妙な違和感を覚えていた。
食べたもの、倒れた時刻、二人に共通するもの——。
一介の毒味役とは思えぬ知識で、明月は真実へとたどり着く。
——そして、皇帝の執務場所である清寧殿に、一人の美女が現れる。
皇帝と皇太子が見守る中、美女は恐るべき知識と頭脳を持って毒殺未遂事件を解決した。
鬼と恐れられる美貌の皇太子・凌雲は、謎の美女に名前を問う。
美女は自らの名を、ぽっちゃり宮女と同じ「明月」だと名乗る。
凌雲が彼女に疑いの目を向ける一方で、明月の前には奇妙な存在が現れていた。
月明かりを食らい、人の言葉を話す、一匹の猫。
食いしん坊なぽっちゃり毒味役と堅物な皇太子、そして月を食べる猫の妖。
後宮に潜む悪意と謎を解決する、中華後宮ミステリー。