あらすじ
千年続いた勇者と魔王の戦いは、あっけない形で終わった。
魔王は七体いた。六体目を倒したところで、王国は気づいたのだ。魔王は地脈の心臓で、倒すほどに畑が痩せていく、と。
手のひらを返した王国は、最後の一体を絶滅危惧種に指定した。
討伐は英雄の偉業から、懲役十五年の犯罪へ。勇者は、密猟者になった。
勇者学校を「殺意が足りない」で落第した新人ノーラの就職先は、魔王保護官。
初仕事は、森の奥にひとりで暮らす最後の魔王(推定八歳・角が片方折れている)の見守りだった。
保護官心得は三つ。餌を与えない。触れない。名前をつけない。
着任三日目、もう全部あやしい。
保護指定を外したい役人。免許失効中の自称勇者。魔王が育ちきる前に片づけたい誰か。
敵は多いけれど、これは保護です。断じて子育てではありません。