あらすじ
農村で「村一番の美人」と呼ばれて育ったリゼットには、ひとつの夢があった。
――いつか貴族に見初められ、優雅な暮らしをすること。
そして18歳の春、その夢は叶う。
由緒ある子爵家の青年から求婚され、念願だった貴族の妻になったのだ。
しかし、待っていたのは想像していた生活とはまるで違った。
屋敷は雨漏り。
領地は赤字。
借金は山積み。
そして夫は、家計が火の車だというのに遊び歩いてばかり。
「……私、結婚相手を間違えたわ」
そんな結婚生活を5年続けたある日、リゼットは階段から転落する。
次に目を覚ました時、目の前に広がっていたのは――幼い頃に見た故郷の畑だった。
貴族と結婚する前に戻ったリゼット。
しかも彼女には、5年間の貴族生活で得た知識が残っていた。
将来どの貴族家が没落するのか。
誰が王太子の側近になるのか。
誰と誰が裏で繋がっているのか。
もう、爵位だけで男は選ばない。
借金なし。
没落の心配なし。
地位も将来性も申し分なし。
条件を突き詰めていった結果、リゼットがたどり着いた結論は――。
「……王太子しかいないじゃない」
今度の人生では誰にも媚びず、誰とも付き合わず、自分自身の価値と人脈を高めていく。
未来を知る元・没落貴族夫人による、王太子から求婚されるための戦略的玉の輿計画が始まる。