あらすじ
ある朝、街に現れたのは、全身を黒い殻に覆われた人型の存在だった。
銃弾は通る。
炎でも死ぬ。
車で轢けば倒すこともできる。
人類はすぐに理解した。
――こいつらは、殺せる。
警察、自衛隊、そして逃げ惑う市民たちは、それぞれの方法で黒い怪物を排除し始める。
通信設備会社で働く真壁遼もまた、妻と幼い二人の子どものもとへ帰るため、崩れていく街を走り続けていた。
そんな中、遼は奇妙な行動に気づく。
黒い怪物は、なぜかアルミニウムに反応する。
一方、回収された死体を調べていた研究者・榊原真琴は、各地から集まる記録の中に、さらに不可解な現象を発見する。
そして最初の遭遇から、二十四時間後。
昨日まで通用していた攻撃が――通用しなくなった。
黒殻は、ただ進化しているのではない。
一体が経験した「死」を、すべての個体が共有している。
そして、その死因に適応するまでの時間は、およそ二十四時間。
人類が新しい方法で一体を殺すたび、
二十四時間後、その方法は通用しなくなる。
つまり――
人類は黒殻を殺すたびに、
自分たちの敵へ「殺されない方法」を教えていた。
これは、怪物を倒す物語ではない。
家族のもとへ帰ろうとする一人の男と、
勝つために敵を殺し続ける人類が、
その「勝利」の意味に気づくまでの物語。
最初の一日が終わる。
そして、人類が黒殻へ与えた最初の授業の答えが返ってくる。
二十四時間後に。