あらすじ
「毎日毎日、茶色くて地味な食事ばかり。お前といると退屈だ」
第二王子の婚約者・伯爵令嬢セラフィナは、夜会の場で婚約破棄を告げられた。
彼女は三年間、殿下の食事の栄養管理と献立づくりを、誰にも知らせず黙々と担ってきた。
殿下が剣術大会で連覇できたのも、徹夜の政務で倒れなかったのも、実はすべて「地味なスープ」のおかげだったのだが。
「承知しました。では、明日から食事管理は終了ですね」
実家の北の領地へ向かう道中、彼女が出会ったのは、遠征帰りで倒れかけている辺境騎士団。
無口な団長ガルドは、彼女の作った一杯の麦粥を食べるなり、ぴたりと動きを止めて言った。
「……結婚してくれ」
「えっ、雇用のお話では?」
一方、王宮では殿下が階段で息切れし、剣を持ち上げられず、大会前に大慌て。骨のスープと生姜粥をやめて砂糖菓子だけになれば、当然です。三年分の献立帳が全てを物語っていました。
今さら「戻ってこい」と言われても、もう私の鍋は騎士団のものです。
地味でけっこう。胃袋は嘘をつきません。
(全年齢・ざまぁ・溺愛・飯テロ)