あらすじ
魔法使い——それは、魔法という奇跡を起こすことができる存在。
数にして二万人に一人と言われている彼らは、ほうきに乗って宙を飛んだり、空の色を変えたりと、現代の科学技術では再現不可能なことをやってのけた。
新たに、そんな魔法使いとなった者がいた。
十歳の少女、千羽イブキ(せんばいぶき)である。
「何もできない」自分が魔法を使えるわけがないと、彼女は自身が魔法使いになったことを受け入れようとはしなかった。
それから五年が経ち、イブキの中学卒業までのカウントダウンが始まったある日。
「ねぇ君、魔法使いでしょ? それも〈白昼の紋章〉の」
「不審者に個人情報を教える義理はありませんが……」
イブキは、見知らぬ魔法使い・寺代ウミ(てらしろうみ)から突然話しかけられる。
空を青く色付ける役目を持つ〈白昼の空の魔法使い〉である彼は、自身の後継者としてイブキが相応しいと考えているようだった。
奇妙な出会いから始まった師匠と弟子の関係は、彼女が中学を卒業する日まで続いた。
その日、イブキは学校の屋上から落ちた。
クラスメイトから「あんたには何もできない」と追い詰められて、落ちたのだ。
「……間にっ、合え——!」
これは、「何もできない」臆病な少女×力を失いかけて猫になった師匠の願いと絆の物語。
+・+・+
第1回アース・スター文庫キャラクター小説大賞 応募作品