あらすじ

少年ユウは、地球から遠く離れた宇宙ステーションで生まれ、十四年間を宇宙で過ごしてきた。 そこには「上」も「下」もなく、身体はいつも宙に浮いている。物を手放しても落ちることはない。そんな環境で育ったユウにとって、「重力」は教科書の中にしか存在しないものだった。 しかし、ある日、宇宙ステーションで大きな事故が発生する。 ユウは緊急脱出によって地球へ送られることになるが、幼なじみのミナは宇宙ステーションに取り残されてしまう。 初めて地球に降り立ったユウを待っていたのは、身体を押さえつける重力、歩くことさえ難しい地面、頬を撫でる風、そして青い空だった。 そこで地球生まれの少女ソラと出会い、ユウは少しずつ地球での生活を知っていく。 やがてユウは、宇宙に残されたミナを救うため、再び宇宙へ向かうことを決意する。 宇宙へ戻ったユウはミナと再会するが、ステーションは崩壊寸前だった。 二人は命がけで地球へ帰還する。 そしてユウは気づく。 宇宙にいた頃、自分は「自由」を何にも縛られないことだと思っていた。 しかし、本当の自由とは、どれだけ遠くへ飛んでいっても、自分で帰る場所を選べることなのだと。 宇宙で生まれた少年は、地球で初めて重力を知った。 そして重力を知ることで―― 「帰る場所がある」ということの意味を知った。

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小説を読もう2026/09/29
  • 現在の作品宇宙で生まれた少年は重力を知らない