あらすじ
「ちゃんとしなさい」が口癖だった母が、三か月前に突然いなくなった。
警察は「事件性はない」と言う。
高校二年の日野みのりは、「手のかからない子」のまま、ひとりの家で夏を迎えようとしていた。
そんなある朝。学校の玄関に座っていたのは、ルーズソックスにPHSを握りしめた、見知らぬ女の子。
「ねえ、今って何年? 世界、終わってないの?」
――彼女は、一九九九年から来た十六歳の母だった。
「ちゃんとするとか、無理じゃない?」が口癖の、手のかかりすぎる母。
しっかりしすぎた娘は、同い年になった母と、その夏を一緒に過ごすことになる。
母はなぜ消えたのか。なぜ、十六歳の母が現れたのか。
これは、知らなかった「母の十六歳」と出会い直す、ひと夏の話。