あらすじ
高校三年間、矢城勇真(ヤシロ ユウマ)の青春には何もなかった。
友達はいない。彼女もいない。クラスでは目立たない最下層。時にはいじめられても、言い返すことすらできない。
卒業式の日、楽しそうに笑う同級生たちを一人で眺めながら、勇真はようやく気づく。
――このまま大学へ行っても、社会人になっても、俺が変わらなければ何も変わらない。
「どうせ変わるなら徹底的に変わってやる。人生の勝ち組になってやる」
そう決意したはずだった。
ところが次に目を覚ますと、そこは三年前高校の入学式の朝だった。
今度こそ最高の高校生活を送る。
友達を作る。恋をする。勉強も運動も、人間関係も成功させる。
そう意気込んで最初の一日を過ごした勇真だったが、翌朝、目を覚ますと――。
また、入学式の朝だった。
どうやらこの高校生活は、何かを間違えると先へ進めない。
しかも、何が正解で何が間違いなのか、誰も教えてくれない。
人気者の幼なじみ・名取桃香(ナトリ モモカ)。
勇真を露骨に嫌うギャル・清水千尋(シミズ チヒロ)。
何もかも完璧に見えるクラスの人気者・成瀬健太(ナルセ ケンタ)。
そして、かつて勇真をいじめていた真下徹(マシタ トオル)。
一度目の高校生活で知っていたはずの彼らも、向き合ってみれば知らなかった顔を持っていた。
失敗して、戻って、考えて、また選ぶ。
何度でも繰り返す高校生活の中で、勇真は少しずつ変わっていく。
そしてやがて、ある疑問を抱き始める。
なぜ自分は高校入学の日に戻ったのか。
そしてなぜ、卒業式の後の記憶だけが、どうしても思い出せないのか。
これは、何も持っていなかった一人の少年が、何度も青春をやり直しながら「人生の正解」を探す物語。