あらすじ
敗戦国からの戦利品として後宮に召し上げられた公爵令嬢シャルティアが産んだのは、婚約者だった亡国の王太子と同じ『夜になると金色に輝く瞳』だった。
しかも女児だった為戦力としての利用価値もない。
シャルティアは祈った。
「始祖レオポール様、どうかこの子を助けてください」
母国では、建国の母である始祖を神として祭っていた。
豹の獣人である彼女は、娘と同じ金色の瞳を持ち、どんな暗闇をも見通す力と無尽蔵の魔力を持っていた。
「貴女の名前は、今日からレオです。始祖様のお名前から一部いただいたのよ」
シャルティアが声をかけると、まだ生後間もない娘が、うっすらと目を開けた。
『今更人生やり直しとか、勘弁してくれ』
レオは言葉にできないもどかしさにクシャリと顔を歪めた。
元々悪党から金を奪うことを生業にしていた大盗賊のレオポールは、何をどう間違ったか祭り上げられ一国の女王となってしまっていた。
頼られれば断れないのは生まれつき。そうして建てた国が滅ぼされたという。
自分の末裔である赤子の中に転生してしまった始祖様が、女として生まれながら命を繋ぐために王子として生きねばならなくなった物語。
こうなったら、ただ生きるだけじゃ物足りない。
敵国の財も人も、全てまるっと盗んでやろうではないか。
ニタリと笑う赤子は、こうして敵国の十八王子でありながら、世のため人のため、自分のために盗みを働く怪盗として夜の世界を飛び回ることとなる。