あらすじ

食事をしても、何も感じない。 大学生の和門明美は、ストレスから空腹を感じなくなっていた。 味は分かる。料理も嫌いではない。 けれど、「おいしい」「もっと食べたい」という気持ちが湧いてこない。 そんな彼女の隣の席に、いつも講義へ駆け込んでくる男がいた。 野辺山平。 いつも汗をかき、講義中でも飴を舐め、二リットルのお茶を飲み、そして――とにかく、よくお腹が鳴る。 ある日、空腹を隠そうともしない平に飴を渡したことをきっかけに、二人は言葉を交わすようになる。 「じゃあ……、私のお弁当、食べてくれますか?」 食べることに何も感じない和門と、食べても食べてもお腹が空く平。 正反対の二人は、昼休みにお弁当を分け合うようになった。 平が美味しそうに食べてくれること。 一緒に食べること。 誰かと同じ時間を過ごすこと。 それだけで、和門の中に少しずつ何かが戻ってくる。 これは、食べることを通して出会った二人が、 ほんの少しずつ、生きることの温度を取り戻していく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/09/29
  • 現在の作品お腹が鳴って君と笑えたら