あらすじ
鈴木創一、27歳。
横浜で下水道配管工として働く、ごく普通の会社員。
借金、残り100万円。貯金はほとんどなし。趣味らしい趣味もなく、給料が入ればギャンブルに行く。
そんな創一には、最近ひとつだけ欲しいものができた。
――普通の家庭だ。
きっかけは、40度近い熱を出して1人で寝込んだこと。
これまで1人でいることを寂しいと思ったことなどなかったのに、その日初めて「このまま1人で死ぬのかな」と思った。
こうして創一は、婚活を始める。
ところが初めて会うはずだった女性には、待ち合わせ18分前にドタキャン。
婚活初戦、敗退。
それでも明日になれば、大体のことはどうでもよくなる。
そんな調子で生きていた創一の周りには、少しずつ変わった人間たちが現れ始める。
何でもできるのに人付き合いが壊滅的な、冷血正論美人。
努力しても結果が出ないまま、それでも小説家を諦めない女。
そして、何でもできるからこそ普通の人間に興味を持てない、自称"天才"の男。
仕事をして、酒を飲んで、恋をして、喧嘩して。
誰かと出会って、たまに別れて。
上手くいく日もあれば、どうしようもなく失敗する日もある。
これは世界を救う物語でも、選ばれた人間の物語でもない。
横浜のどこかで今日も生きている、少しだけ変わった普通の人たちの話。
そもそも"普通の人生"って、なんだろう。
鈴木創一は今日も、とりあえず目の前の1日を生きている。