あらすじ
その笑顔の内側に、誰がいる。
相次ぐ飛び降り事件が街を騒がせるなか、水野直人は、親しい人々の言動に違和感を覚え始める。
自分を見つめ続ける友人。靴を隠して帰らせない姉。心配しているはずの人々が、なぜか恐ろしい。
友人に何かが取り憑いているのではないか。そう疑った直人は、古い会館に残された、ある女性の死を調べ始める。
助けたいのに、近づくのが怖い。
信じたいのに、その笑顔が信じられない。
霊の気配と人間の悪意が日常を侵すホラー小説『針金』。
【主な登場人物】
・水野直人――印刷会社に勤める青年。身近な人々への疑いを深めていく。
・佐伯遼――直人の高校時代からの友人。その気遣いが、次第に不気味に映り始める。
・小野寺真帆――地域情報誌の編集者。直人とともに、会館の過去をたどる。