あらすじ
会社を理不尽にクビになった、その日のこと。
神宮寺悠斗は世界で初めて発生した黒い裂け目に巻き込まれ、誰も到達したことのない神級ダンジョンの最下層へ落とされてしまう。
そこで待っていたのは――日本神話最強の武神、武甕槌だった。
「帰りたいなら、俺が鍛えてやる」
こうして始まったのは、神による常識外れの直接指導。
殴られ、吹き飛ばされ、立ち上がり、飯を食い、時には武甕槌と言い争いながら修行を続けること、五百年。
ようやく地上へ帰還した悠斗だったが、外の世界で経過していた時間はわずか五年だった。
しかも、その五年間で世界は大きく変わっていた。
各地にはダンジョンが存在し、魔物の素材を売って生活する《探索者》という職業が誕生。そして世界に名を轟かせる最上位探索者たちには、ある共通点があった。
彼らは皆、神々に選ばれた《神の代理人》だったのだ。
オリンポス、エジプト、日本、北欧――。
神々は人間へ加護や神器を授け、自らの代理として世界へ送り出していた。
だが、その中でも悠斗だけは少し違う。
加護を与えられただけではない。
神器で強くなったわけでもない。
神本人から五百年間、直接戦い方を叩き込まれた唯一の人間だった。
そんな事情など知らない悠斗は、まず失った五年間を取り戻すように探索者としての生活を始める。
ダンジョンを攻略し、魔物の素材を回収して売り、装備を整え、助けた女性探索者・真白に修行をつけ、やがては仲間たちと自分のギルドを作っていく。
しかし、悠斗との修行で成長していく真白にも一柱の日本神が興味を示し――。
「この子、気に入った」
少しずつ増えていく仲間。
世界各地で姿を現す、神の代理人たち。
そしてその裏では、眠れる邪神の復活と世界の滅亡を望む者たちも動き始めていた。
これは、会社をクビになった日に戦神へ拾われた男が、五百年の修行を終えて現代へ帰還し、もう一度普通の生活を始めようとする物語。
そしていつしか、世界中の神々とその代理人を巻き込む戦いの中心へ立つことになる――一人の人間の物語である。