あらすじ
無農薬、無肥料での自然農法に挑み、周囲から変人扱いされながらも畑に立ち続ける日々。
うまくいかない日々、仲間を失い、親族との軋轢と自らの行いで家庭を壊してしまった後悔。
そんなある朝、一年に一度の登山へ出かけようとしていた米山は、押しかけてきたJA職員や通りすがりの女子高生たちとともに土砂崩れに巻き込まれる。
そして目を覚ますと――魔族の赤ん坊になっていた。
そこは人族と魔族が争い、世界の半分以上が未開のまま残された異世界。
農業すら十分に発達しておらず、人々は飢え、森には見たこともないほど豊かな植生が広がっている。
前世では誰にも必要とされなかった米山の土壌、植物、品種改良の知識
焼畑農業、品種改良、流通加工からマーケティング、ついには異世界での株式会社の制定まで
一つの畑を豊かにし村を守ろうとしたら会社ができた。
会社を守ろうとしたら物流と金融を握っていた。
そして気づけば、魔族全体の食料を彼が支えていた。
飢餓をなくし、子供を救い、民衆から英雄と呼ばれる農家。
だが国を治める者たちは、やがて気づく。
――食料を握ったこの男は、王よりも危険なのではないか。
世界征服を目指していない農家が、種と畑と物流と圧倒的な食料生産力によって、いつの間にか世界を支配していく異世界農業譚。