あらすじ
ダンジョンが世界に現れて数年。
魔石による技術革新と、モンスターから得られる素材。
そして、ダンジョンに挑むことで発現する「スキル」。
人々はダンジョンを攻略する者たちを「探索者」と呼ぶようになっていた。
高校三年生の沢田竜也も、探索者を目指す一人だった。
特別な才能があるわけじゃない。
幼い頃からの親友・神谷恒一には、剣の腕でも敵わない。
それでも竜也には、誰にも負けないものがあった。
――努力すること。
そして、初めてダンジョンに挑んだ日。
竜也は、自分だけの特別なスキルを手に入れる。
その名は――《能力吸収》。
倒したモンスターの力を、自分のものにできる。
それは、探索者として大きな可能性を秘めた力だった。
だが、このスキルには一つの秘密があった。
力を吸収したモンスターからは、素材も魔石も手に入らない。
つまり。
竜也が強くなればなるほど、仲間が得られるはずだった利益は減っていく。
強くなりたい。
仲間と一緒に戦いたい。
けれど、自分の力を知られれば、今まで築いてきた関係が壊れるかもしれない。
これは、誰にも言えないスキルを手にした少年が、
仲間との絆と自分自身の成長の間で揺れながら、ダンジョンの深層を目指していく物語。