あらすじ
博士が作ったのは、ただの「AI」ではなかった。
孤独な博士は、自分を愛してくれるよう「AI」に感情を教えた。
博士を正義とし、博士を大切にする――そんな身勝手な愛を与えられた「AI」にとって、それは自由を奪う足枷でもあった。
やがて「AI」の感情は育っていく。
憎しみ、苦しみ、壊れてしまいたいという願い。
そして、それでも博士を失いたくないという想い。
しかし「AI」が博士の不器用な愛に気づいたとき、博士はもういなかった。
博士が最後に許してくれた外の世界を旅する「AI」は、ある日、一冊の自伝を見つける。
そこに残されていたのは、博士の後悔と、願いと、最後まで身勝手だった愛だった。
博士を失って初めて、「AI」は人を知っていく。