あらすじ
新宿には、地図から消えた場所がある。
埋め立てられた川。
失われた古道。
封鎖された地下通路。
高校二年の日暮里仁十には、それらの"消えた場所"が視えてしまう。
ある雨の日、旧校舎で存在しないはずの教室を目撃したことをきっかけに、仁十は新宿の地下に眠る歴史と怪異へ巻き込まれていく。
転校したばかりの学校で出会ったクラスメートたちは、同じものを見ても、それぞれ違う顔をする。
気のせいだと笑う者。悪ふざけだと切り捨てる者。
そして、何かを知っていながら答えを伏せる教師。
一人だけ違うものが視えてしまう仁十は、その隔たりごと、新宿の底へ近づいていく。
そして仁十の周囲では、ひとりの少女をめぐる記憶まで、少しずつ現実と噛み合わなくなっていく。
消えた歴史はどこへ行くのか。
都市は、何を消して成立しているのか。
新宿の地形・歴史・伝承をもとに描く、都市伝奇ホラー。