あらすじ
社会人になったばかりの幼馴染のふたり、朋也と陽太。周囲からは「陰キャと陽キャ」と言われる凸凹な関係のまま、気づけば十年が経っていた。朋也は、ずっと陽太に恋をしている。けれど、いまだに「好き」の一言すら言えないまま。そんなある日、朋也がひらりと見せてきたのは一枚の英語の紙きれ。それは、盲点を突いた「月の土地の所有権」の証明書だった。
「俺と、お前の土地、隣同士なんだ」カレーの貸し借り、壊れたお風呂。不器用な言い訳を並べて、どうしても喉まで出かかった「いつか一緒に住まない?」が言えない朋也。そんな彼に、太陽みたいに笑う陽太が突きつけた、愛おしい怒りとは――。昼も夜も、ずっとそこに浮かんでいる月のように。不器用な男たちの、可愛くて少しだけ切ない、境界線のない恋の物語。