あらすじ
未来が、視える。
王女ヴィオレッタには、
幾千に枝分かれした“未来”を見る力があった。
――なのに。
どの未来を探しても、彼だけがいない。
銀髪の護衛騎士、シリウス・ヴァレンティス。
冷静で、寡黙で、必要以上に近づこうとしない男。
けれど彼のそばにいると、
ヴィオレッタの胸の奥に眠る「星核」が、
なぜか強く熱を帯びる。
敵国エルディア帝国の皇太子との政略婚約のため、
故郷を離れた十八歳の王女。
やがて目覚めたのは、
幾つもの未来へと枝分かれする“星の木”。
そこには、自分が選ぶかもしれない未来が
いくつも広がっていた。
――ただひとつ。
どの未来を探しても、
シリウスだけが、どこにもいない。
未来は、最初から決まっているのか。
それとも、選んだその先を
人は運命と呼ぶのか。
視えるすべての未来から弾かれた、たった一人の男。
彼を選ぶことは、
運命に背くことなのか――。
その答えを探す先には、
国と使命、過去に隠された真実、
そして、存在しないはずの未来が待っていた。
これは、
決められた運命の中から
「自分で選ぶこと」を選んだ、
ひとりの王女と騎士の恋の物語。