あらすじ
時は西暦2070年。
少子高齢化が深刻化した近未来の日本では、出生率対策として「若年層による計画的な生殖医療」が推進されていた。
二十代のうちに体外受精などを利用して子どもを授かることが、富裕層を中心に一般化。
妊娠・出産の負担は大幅に軽減され、出産時期まで計画できるようになった。
「若いうちに子どもを産み、社会全体で育てる」
それが、この時代の当たり前だった。
そんな世界で、小日向紬は少しだけ違っていた。
平成生まれの両親は、長い不妊治療の末、四十代でようやく彼女を授かった。
家庭で大切にされてきた価値観も、周囲とは少し違う。
その「古さ」のせいか、なかなかクラスに馴染めない紬。
「自分の居場所が欲しい」
そう思った彼女は、クラス委員に立候補する。
そんなある日。
地元のヤンキーに絡まれた紬を助けたのは、クラスメイトの東雲李來斗だった。
金髪で、少し生意気。
口は悪いくせに、困っている人間を放っておけない。
そんな彼と、勉強したり、買い物に出かけたり、文化祭の準備をしたり。
やがて二人の距離は、少しずつ近づいていった。
文化祭の片付けを終えた二人は、誰もいなくなった教室で眠り込んでしまう。
目を覚ますと、夜。
学校の自動システムによって校門は閉鎖され、二人は校内に取り残されていた。
脱出するためコンピューター管理室へ向かった二人は、そこで全校生徒の個人データを管理するシステムを発見する。
画面に映し出されたものとは――。