あらすじ
珠は土御門邸に行ってから、様子がおかしかった。ずっと藤原教通の姿だけが頭に浮かぶのである。さすがにぼうっとしていると、紫式部が聞いてくる。珠は正直に告げると、紫式部は嬉しそうに笑う。どうやら、珠の初恋らしい。珠は驚いて、これが恋かと思い知ったのだった。紫式部は教通との仲を深めるのかと問うてきたが、珠は諦めることにした。教通はいずれ偉くなる御方なので、自分ではつり合わないと思ったのだ。ただ、この恋の展開だけは物語にしようと、紫式部に伝えると、彼女は喜んでくれた。珠は元気を取り戻すと、部屋の雰囲気も明るくなるのだった。