あらすじ
幼くして両親を亡くしたエマは、叔母の家族の愛を受けながら、何不自由なく穏やかに暮らしていた。
いつしか美しい淑女へと成長した彼女のもとに、伯爵家の後継者が求婚する。
完璧な容姿と教養を兼ね備えた彼は、初めて会った時から情熱を隠さず彼女に求愛し、周りの誰もが彼女を幸運な人だと羨んだ。
ところが不意に、正体の分からない声が彼女に警告した。彼から逃げなさい、と。
そして彼女は、太陽と月が同時に浮かぶ奇妙な森の中で、その声の主と出会った。
邪悪なほどに美しい彼を見つめるうちに、彼女は忘れていた暗い過去を少しずつ思い出していった。
母は狂気のうちに早世し、父もまた、尋常ならざる死を迎えたのだということを。