あらすじ
八大地獄には、本獄だけではなく、
その周囲に連なる「小地獄」が存在する。
黒い熱砂が降り注ぐ黒雲沙地獄。
煮えた泥と虫が待つ糞屎泥地獄。
巨大な鶏が亡者へ群がる鶏地獄。
灰の河、剣の葉、燃える銅釜――。
『起世経』に伝わる十六小地獄をもとに、
それぞれの刑罰と、そこへ落ちた亡者たちの罪を描く地獄短編集。
八寒地獄を巡り終えた宵鈴は、
新たな研修先として小地獄を巡ることになる。
雪も氷もない。
見慣れない熱、泥、血、炎、獣、鉄。
それでも彼女がすることは変わらない。
遠くから眺め、
時間を測り、
亡者がその環境の中でどう変わっていくのかを見る。
そして時折、
孤地獄の管理者・葵も応援として顔を出す。
なお本作では、
『正法念処経』系の刑場を「別所」、
『起世経』系の十六地獄を「小地獄」と呼び分けています。
「別所」が罪業ごとに刑罰を執行する場所なら、
「小地獄」は環境や施設そのものが刑罰となる場所。
同じ地獄でも、その景色も、苦しみ方も異なる。
これは、
十六の小さな地獄を巡る物語。
※仏教経典・地獄説話を題材とし、物語上の創作・独自解釈を加えています。