あらすじ
「結界なんて、誰にでもできるんだよ」
不良債権扱いで、迷宮最強ギルドをクビになった護符職人のレン。
家は追い出され、嫁のノラは月を浴びないと魔物になる呪い持ち。金もない。
そこで二人は決めた。迷宮の底で暮らそう。家賃タダ、月光浴び放題だ。
護符を置くだけの簡単な仕事のはずが、
「〈月溜まり〉の主だよ!? たった四枚で!? 詠唱もなしで!?」
と、里の受付娘は腰を抜かし、
「よかったねレン、褒められてるよ」「驚かれてるだけだ」
と、嫁は笑う。
一方、レンを切ったギルドでは、壁にヒビが入り、天井が雨漏りし、
後任の主席魔道具師が、遺された手記を半分も読めずに固まっていた。
線が消えたことに気づくのは、いつも、“外”が雪崩れ込んできてからだ。