あらすじ
江戸・四谷。川から引き上げられた一枚の戸板には、顔を潰された女と奉公人・小平の遺体が表裏に打ち付けられていた。
女は、夫・民谷伊右衛門に裏切られ、無惨な最期を遂げたお岩――そう思われた。
しかし盲目の按摩・宅悦は、髪油の匂いと遺体に残された傷の違いから、戸板の女が別人であることに気づく。
毒の入っていない妙薬。消えたお岩の遺体。
密室の婚礼に現れる亡霊。
そして、恐怖に駆られて刀を振るう伊右衛門。
すべての怪異は、人間の仕掛けなのか。
それとも本物の亡霊が紛れ込んでいるのか――。
『東海道四谷怪談』を本格ミステリーとして再構成した、江戸怪談推理譚。