あらすじ
十二歳の相沢ひよりは、ずっと三人の弟妹を守って生きてきた。
五歳の双子、陽太と奏太。そして二歳の美羽。
両親は育児放棄、血の繋がりのない叔父は毎日のように殴り、蹴りをしてくる。
彼らにとって、頼れる大人はいない。
食事が足りなければ自分の分を弟妹へ譲り、怒鳴り声が聞こえれば三人を部屋へ隠す。
どれだけ傷ついても、ひよりは笑って言い続けていた。
「大丈夫。お姉ちゃんだから」
そんなある日、弟妹を庇って重傷を負ったひよりの足元に、突然見知らぬ魔法陣が現れる。
眩い光に包まれ、四兄妹が辿り着いたのは――魔法と魔物が存在する異世界だった。
傷だらけの身体で、それでも弟妹を守ろうとするひより。
そんな四人を魔物から救ったのは、王国騎士団長にしてヴァレンシュタイン侯爵家当主、アルベルトだった。
大柄で、強面で、剣を持った大人の男性――それはひよりにとって、それは何よりも恐ろしい存在だった。
それでもアルベルトは無理に近づこうとせず、声をかけてくれた。
妻である侯爵家夫人のエレオノーラは、ひよりたちに触れる前に必ず声をかけてくれた。
侯爵家の双子の息子ルーカスとノエル、使用人や騎士たちも四兄妹を温かく迎えてくれる。
毎日用意される温かな食事や、安心して眠れるベッド。
ボロボロだった服ばかり着ていたのに、毎日のように新しい服や、洗濯されたキラキラな服を用意してくれる。
自分のために用意されたお菓子もある。
そんな当たり前を知らないひよりは、少しずつ戸惑い始める。
やがて四兄妹には、この世界でも珍しい魔力が宿っていることが判明。
中でもひよりは、常識外れの力を秘めていた。
そして、四兄妹がこの世界へやってきたことは、決して偶然ではなかった。
これは傷だらけだった四兄妹が新しい家族を見つけるまで、そして癒されていく物語。
※小説家になろうにも掲載しています。