あらすじ
俺――鈴木琥太郎は、毎週火曜日の昼休みになると、同じ図書委員の佐瀬杏奈が書いた短編小説を読まされる。
小説家志望の佐瀬が書く物語は、なぜかいつも俺たちの日常によく似ている。
性別も名前も設定も変えてある。けれど、会話も行動も出来事も、どう考えてもモデルは俺と佐瀬だ。
もちろん、俺はとっくに気づいている。
でも「これ、俺たちのことだろ」なんて言えるわけがない。
もし違ったら恥ずかしいし、もし本当にそうだったとしても――今の関係が変わってしまいそうだから。
そんなある日、佐瀬の小説に俺の知らない場面が現れる。
俺が休んだ日の図書館。
そこで俺をモデルにしたらしいヒロインを待つ彼は、こう思っていた。
――彼女がいないと、静かだ。
これはただの創作なのか。
それとも、佐瀬が俺に言わない何かなのか。
気づいている俺と、気づかれているかを楽しむ佐瀬。
小説越しに探り合う、少しむず痒い青春ラブコメ。