あらすじ
路地裏の地下にひっそりと佇むワインバー
「Coeur Verre(クール・ヴェール)」
寡黙で感情を表に出さない若きソムリエ・海棠舟(かいどう しゅう)は、雨の夜にだけ店を訪れる特別な配達人を待っていた。
カランと鳴るドアベルとともに現れるのは、近所の花屋「花紡(はなつむぎ)」の娘・東日向(あずまひなた)。
彼女が抱えてくる濡れた季節の花と、舟がグラスに注ぐ一杯のワイン。
店のカウンターに遺された「ある約束」をきっかけに、夜のバーと昼の花屋、交わるはずのなかったふたつの日常が、植物のアロマとワインのテロワールを通して静かに重なり合っていく――。
雨音に包まれる夜に寄り添う、香りと記憶のヒューマンストーリー。