あらすじ
かつて世界を脅かした魔王は討伐された__はずだった。
だが魔界最深部「暗黒魔界・デスシュヴァルツ」では、なお不穏な鼓動が続いていた。
黒雷が走り、骸骨が震え、鎖に縛られた玉座に闇の影が現れる。
「ふははは……我が名はあんぎゃぁぁぁぁぁ!!」
その口上は最後まで続かない。
聖剣が魔王の体を真っ二つに切り裂いていたッッ!!!?
復活から3秒で、魔王は再び塵となる。
この地は今や、魔王を蘇らせては即座に串刺しにする「全自動リスキル装置」と化していた。
それを管理していたのは、銀髪のメイド、ヨグ。
無表情でストップウォッチを構え、復活から死亡までのタイムを淡々と計測する。
「記録、3.9秒。過去最速です」
「3秒台きたぁぁぁ!俺すげぇ!」
通信魔術の向こうで、居候の男ウィルが子供のようにはしゃぐ。そう、彼こそが「聖剣泥棒」「極上のヒモ」と罵られる世界最強の魔術師。
聖剣泥棒という謂われのない(自称)罪を背負い、今はシュルズベリィ公爵家の書庫に引きこもるヒモ生活。
だがその夢のスローライフに、不穏な暗雲が立ち込める。
没落公爵家の令嬢 ベルナデッタ・フォン・シュルズベリィは、不躾な居候を指さし叫ぶ。
「アンタが私の新しい侍女になるのよ!」
「俺男だぞ」
シュルズベリィ家につかえる最後の侍女が退職したことにより、怠惰を極めた魔術師ウィルの日常は大きく揺らぎ始める。
__公爵家のヒモ。
世界最強にして世界最低、クズニートの居候ウィルが下す決断や、如何に。
主人公はシュルズベリィ公爵令嬢ベルナデッタ・フォン=シュルズベリィです。