あらすじ
目覚めたら、やり込みRPG『星痕のレガリア』の噛ませ犬貴族――ヴィンセント・フォン・クロムウェルになっていた。
3ヶ月後には原作主人公に決闘で負け、その後に反逆罪でギロチン台に送られる確定処刑キャラ。
しかも生家は「弱者を踏みにじれ」が家訓の冷酷一族。急にいい奴になったら父親に暗殺される無理ゲー仕様。
「……よし、冷酷な悪役の皮を被ったまま、裏で原作ヒロインたちの破滅イベントを全部潰そう」
処刑フラグをへし折り、親の遺産で平穏な引きこもり年金生活を送るため、ヴィンセントは原作知識をフル稼働させる。
「貴様の死にかけの母親にでも飲ませろ」と全財産を叩いた特効薬を投げ捨て、
「不快な騒音を立てるな」と暴走する古代魔導炉を素手で力任せにねじ伏せ、
「名剣を豚が持つな」と呪いの魔剣を奪い取ってリンゴの皮むきナイフにする。
全ては保身と生存のため。
これで全員生存、自分の首も繋がってめでたしめでたし――のはずだった。
「あの方は、悪名を背負ってまで私を救ってくださった、私だけの英雄……」
「ヴィンセント様……貴方を害する害虫は、この命に代えて全て殺す」
「ヴィンセント様の心の声、とても温かい……ずっと聴いていたいわ」
なぜか裏工作の痕跡をすべて暴かれ、好感度がマイナスから限界突破。
救われたはずのヒロインたちが、瞳から光を消して部屋を取り囲んでいた。
一方、原作主人公は「あの人こそ本物の貴族だ!」と弟子入りを志願してきて――!?
傲慢貴族の皮を被った男が、平穏を求めて逃げ回る勘違い学園ラブコメディ!