あらすじ
「こちらの手違いで、おぬしを死なせてしまった」
「ありがとうございます」
「そこは怒るところではないか?」
いじめに遭い、誰も信じられなくなった十四歳の少年・レン。
神の手違いで命を落とし、剣と魔法の異世界で新たな人生を与えられることに。
けれど、レンが真っ先に確かめたのは、転生の代償だった。
食事を勧められれば追加料金を疑い、親切にされれば見返りを探す。
そんな彼が辿り着いたのは、雪の降る町の小さな宿屋。
世話焼きな宿の主人や、口は悪いが面倒見のいい職人たちは、レンの警戒などお構いなしに、毎日の食卓へ彼の席を用意する。
一方、この世界の魔法には、誰も疑わない決まりがあった。
ところがレンは、名も知らぬ魔法で夜空を彩ってしまう。
その光は、人々が当たり前だと思っていた世界の仕組みを、少しずつ揺るがしていく。
魔法の使い方より、優しさの受け取り方が難しい。
これは、人間不信の少年が「ここにいたい」と願えるようになるまでの、少しおかしくて温かい異世界の物語。