あらすじ

「お前が戦えれば、あそこで倒せた」 仲間三人の命を救った帰還士ノルに返ってきたのは、報酬ではなく、契約を切るという言葉だった。 攻撃魔法は一つも使えない。できるのは、自分の足で歩いた道を戻ることだけ。 そんなノルが流れ着いたのは、地上へ出るにも、食べ物を運ぶにも、高い運賃を取られる底街ダルカだった。 「帰りたいのに帰れない奴なら、この街にいっぱいいる」 修繕屋のリゼと出会い、古い魔法装置を直したノルは、迷宮の底と地上をつなぐ小さな「駅」を開業する。 一便四人。次の便までは四十拍。 最初のお客は、売れ残りの豆を抱えた行商人。 魔晶石代と修理費に頭を抱えながらも、安く届いた野菜や、無事に帰ってきた人々の笑顔が、駅の明日を少しずつ支えていく。 だが、運送を独占する商会が駅を狙い、街の地下では不気味な異変が始まっていた。 自分で歩いていない道はつなげない。一度に全員を運ぶこともできない。 それでも、帰りを待つ人がいるのなら。 「帰るまでが、仕事だ」 これは、帰ることしかできない男が、仲間と一緒に、誰も置いていかない道をつくる物語。

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小説を読もう2026/09/28
  • 現在の作品外れ職〈帰還士〉は、迷宮の底に駅をつくる ~戦えない俺の帰還魔法が、見捨てられた街の明日をつなぐ~