あらすじ
「私を拒んでいい」
誰も逆らえない皇帝が、生贄にされる私の前で跪いた。
国を守る灯に命を捧げる――そんな役目のために、十九歳のリシェルは大聖堂へ連れてこられた。
けれど、皆を従わせる皇帝レオンハルトの命令が、彼女にだけ届かない。
「私は、死にたくありません」
その一言から、生き延びるための百日が始まった。
彼女が皇帝に求めたのは、贅沢でも寵愛でもない。
質問に誠実に答えること。命令を記録に残すこと。そして、無断で触れないこと。
伸ばしかけた手を止める人。命令の代償に、喉から血を流す人。
恐れていた皇帝の素顔を知るほど、リシェルは彼の声をもっと聞きたいと思うようになる。
だが、惹かれ合うだけでは、二人を隔てる絶対の力は消えない。
生贄になる運命も、愛する人に従うだけの未来も、自分の「いいえ」で変えていく。
命令を拒む聖女と、命令しか知らなかった皇帝が、互いを選び直す異世界恋愛。
全50話・ハッピーエンド。