あらすじ
私立桜ヶ丘高校に通う高2の神谷涼(かみやりょう)は、誰も使わない「旧校舎の化学準備室」を放課後の居場所にしていた。しかしある日、化学準備室で小規模な火災が発生。現場は内側から鍵がかけられた完全な密室で、現場に残されていたのは涼と、学校一の秀才と名高い1年生の少女・白石凛(しらいしりん)のふたりだけだった。
ボヤ騒ぎは不始末として処理されかけるが、凛は冷静な論理でそれが「精密に計算された放火」であることを見抜く。動機も犯行方法も不可解な事件。警察の介入を恐れる学校側の思惑と、生徒たちの複雑な人間関係が絡み合う中、凛の鋭い理系思考と涼の観察眼が、放課後に潜む思わぬ悪意を暴いていく。軽快な青春群像劇の皮を被りながら、科学的トリックと人間性のエゴが交錯するミステリー。