あらすじ
一月十七日。
月城湊と結のもとに、娘・灯和(ほのか)が生まれた。
小さな手で父の指を握った灯和。
その誕生の日、湊は結へ深い赤色のガーネットのペンダントを贈る。
それは、二人が夫婦から父と母になり、家族に新しい光が加わった日を忘れないための贈り物だった。
両親の愛に包まれて成長した灯和は、やがて自分の道を選び、ブライダルジュエリーの世界へ進む。
そして二十三歳の秋。
高校時代に一度だけ出会った朔悠人と、約五年ぶりの再会を果たす。
会う理由があるから会っていた二人は、いつしか会うための理由を探すようになっていく。
けれど、人の気持ちにはよく気づくのに、自分の想いには素直になれない灯和。
そして、大切に想う気持ちを言葉にすることが少し苦手な悠人。
恋をして、すれ違って、それでも二人は少しずつ「言葉にすること」を覚えていく。
小さな手で父の指を握ったあの日から、
自分で選んだ人の隣へ歩いていく日まで。
スイートピーが告げる新たな門出と、
二十七年の時を越えて受け継がれていくガーネット。
これは、ひとりの娘の成長と恋、
そして彼女を愛し、見守り続けた家族の二十七年間を描く物語。