あらすじ
弁当屋『おおはし』を営んでいた大橋恵生は、お店を畳むことを決めた。
その閉店の知らせを掲示した日、常連客の小野川章仁から、突然「俺と結婚してくれませんか?」とプロポーズされる。
話を聞いてみれば、章仁が毎朝買っていた弁当は、妻が作った「愛妻弁当」だと偽っていたものだった。弁当と妻という存在が必要だという章仁の事情を考慮した恵生は、章仁の妻となり、弁当を作るという、いわば契約という形の結婚をすることに。
始まった結婚生活は、とても穏やかなものだった。
望まれたことが嬉しくて、思わず受け入れた結婚は、恵生の心を少しずつ満たしていく。
しかし、それと同時に疑問も生まれる。
――私でいいのだろうか。
――なぜ、私だったのだろう。
恵生には、章仁が与えてくれるものを素直に受け取れない事情があった。
そしてある日、恵生は章仁が隠していた事情を知ってしまう。
恵生の事情が明らかになり、章仁の真の想いを知った時、止まっていた二人の関係が、ようやく進みだす。
お弁当によって繋がれた二人の、物語。