あらすじ
未来が視える。
そんな能力を手にしたら、何をするだろう。
金儲け?
無双?
人生の失敗を全部先回り?
遠野望、24歳。
人気イラストレーター「halfsec」として活動する彼女の場合――答えは、絵を描いて、ゲームをして、普通に楽しく暮らすことだった。
少し先の未来を視る力も、今では線を引くための仕事道具のひとつ。
ゲームでは、ちょっと変な一発を当てるために使うくらい。
何もかも思い通りにしてしまえば、きっと簡単だ。
でも、それでは面白くない。
そんな望のもとへ、ある日、大手VTuber事務所から新人タレントのキャラクターデザイン依頼が届く。
まだ姿のない少女――夕凪よりみ。
明るく、好奇心旺盛で、面白そうなものにはすぐ飛びつく。
そんな彼女と話しながら、望は一から「夕凪よりみ」という姿を描いていく。
やがて娘はデビューし、望もその配信を見るようになる。
そして気づく。
このVTuber、妙におかしい。
未来なら視える。
けれど、その未来の中から「普通そこは選ばないだろ」という枝を、なぜかピンポイントで踏んでいく。
成功するにしても、失敗するにしても。
どうしてそんなところに着地するのか。
未来は視える。
でも、この娘だけはどうにも読めない。
これは、30フレーム先の未来が視える人気絵師と、
未来を見てもなお予想外なVTuberが出会って始まる、
少し不思議な日常とネット活動の物語。