あらすじ
――誰か、俺に勇気をください。
仕事はできる。
体も大きい。
見た目だって、怖いと言われることはある。
だけど俺は、恋愛になると、とことん臆病だった。
そんな俺が密かに憧れているのは、職場の先輩・胡桃さん。
凛としていて、仕事ができて。
俺なんかとは住む世界が違うような人。
そんな彼女を、俺は笑顔にしたい。
……でも、どうすればいい?
一人では何もできない俺が、友達作りのために始めたSNSアプリ。
そこで何気なく相談した一言から、すべてが始まった。
⸻
【相談】憧れの先輩をカフェに誘いたいんだが
『まず誘え』
『悩むな熊』
『お前、予約したの?』
「……まだです」
『じゃあ今すぐ予約しろw』
『熊、これは脈あるぞ』
『いや待て、決めつけるなw』
『とりあえず行け!』
『熊ならできる!』
⸻
俺は知らなかった。
画面の向こうにいる、顔も名前も知らない人たちが――
いつの間にか、俺の恋を自分のことのように応援してくれていることを。
失敗すれば一緒に悩み、
うまくいけば一緒に喜び、
俺が怖気づけば、何度でも背中を押してくれる。
そして俺は、少しずつ変わっていく。
胡桃さんと付き合いたいから?
……違う。
ただ、あの人の笑顔が見たいから。
これは、気弱な「天然熊さん」と、
その恋を面白半分……いや、全力で応援するアプリ住人たちが繰り広げる、
ちょっと不器用で、ちょっと笑えて、最後には心が温かくなる恋物語。
『カフェ好き女と天然熊さん』では描かれなかった、
熊田五郎のもうひとつの物語。