あらすじ
田舎のスーパーでパートとして働く27歳の立花萌奈。
彼女には、ある恋から逃げた過去があった。
どことなく雰囲気が似ているだけの同僚・山田と煙草を吸いながら、彼女が見ているのはいつも「あの子」の面影だった。
――亡き母から継いだ小さな雑貨屋。
そこに、カノジョの連れでやってきた17歳の高校生・矢野直斗。
直斗のまっすぐな気持ちから始まった恋に戸惑いながらも惹かれていく萌奈だったが、社会人と高校生という壁、そして彼の未来を前に、大人としての倫理観が彼女を追い詰めていく。
「君の未来を奪わないために」と自分に言い訳をして、萌奈は彼のもとから逃げ出した。
逃げ出したあの日から、何一つ変われないまま。
彼女の砂時計は、いまも落ちきらない砂を揺らしている――。