あらすじ
土曜日の午前十一時。
大学三年生の来栖陽葵は、タルトに使うイチゴジャムを取りに、実家の地下室へ下りた。
棚の裏にあった、知らない扉。
その先には、見渡す限りの苺畑と、男爵を名乗る祖母の弟。
……おばあちゃん、何やってんの?
夕方にはバイトがある。月曜日には講義もある。
なのに、帰りの扉が開かない。
自由すぎる祖母と、真面目な大叔父。
畑で働く同年代の女の子に、頼れる台所の料理人。
祖母の故郷で出会った人たちとお菓子を作るうちに、陽葵は「また来たい」と思い始める。
特にやりたいこともなかった女子大生が、二つの世界を行き来しながら、自分の小さな楽しみを見つけるお話。
全10話完結。