あらすじ
写真家の桂木有にとって、相沢涼は特別な被写体だった。
他人に撮られれば気になる。
自分で撮りたいと思う。
けれど、春野遥は違う。
モデルとして仕事で撮ることはある。
それでも、日常の春野に向けるのは仕事用のカメラではなく、スマートフォンだった。
道に迷えば迎えに行く。
撮影が終われば一緒に帰る。
他の誰かに撮られても気にならないのに、帰り道には自分がいる。
春野もまた、それを特別だとは思っていない。
撮らなくても一緒にいる時間が増えていく中で、二人の関係だけが、まだ名前を持たないまま残っていく。
『AfterImage ― 撮らない日』
撮らなくても、残る人がいる。