あらすじ
渡し守の私は、水を怖がる役立たず――ということになっている。泥さらいも無給の夜番も押しつけられ、救助の手柄と賃金は監督バーナードのもの。次に舟を損ねれば追放だと言い渡されたある日、調査に来た公爵令息エドワードが淀みへ落ちた。私は十二尋の麻綱三巻を結び、六人を三組に分けて彼を救う。ところが彼は、屋敷へ来い、舟を降りろ、私が養う、と過保護な提案を三つ。すべて却下すると、なぜか彼は私の結び方と号令を覚え始めた。そして切られた綱により、今度は私が同じ淀みへ落ちる。水位帳、支給簿、署名入り修繕票。消された働きと横領を一項ずつ公衆の前で確定し、仕事を奪わない三条へ署名した彼と、私が対等な恋を選び直すお話。