あらすじ
釈迦の入滅を前に、未来の救済を引き継いだ弥勒菩薩。
下生するのは、五十六億七千万年後。
そのときには、すべての衆生を救わなければならない。
引き継ぎの挨拶もかねて現世を訪れた弥勒は、そこで大勢の人々が暮らしているのを目にする。
――五十六億七千万年後には、いったいどれほどになるのでしょう。
救済の規模を心配した弥勒は、人々の因果を長く追える記録に目をつける。
それから四百年。
また四百年。
弥勒が兜率天へ戻っているあいだにも、人間たちはその記録を使い続けた。
長く残された記録には、さまざまな使い道が見つかった。
人々はそれを信用に利用し、仕組みを整え、次の時代へ引き継いでいく。
そしていつしか、人々はその仕組みをこう呼ぶようになる。
「魂本位制」
五十六億七千万年後の救済を託された弥勒菩薩が、四百年おきに変わっていく人間社会を眺めながら、「救う」とは何かを考える仏教金融システムコメディ。