あらすじ
「レベル0の無能は、俺たちには必要ない」
冒険者パーティ『暁の刃』で、仲間を笛の音色によって支えてきた[バード]の少年ネロ。
敵の動きを読み、仲間たちの呼吸を合わせ、魔力の乱れを整える。
彼の《調律》は、誰にも気づかれないままパーティを幾度となく勝利へ導いていた。
しかし――鑑定水晶に表示されたネロのステータスは、
【Lv.0】
【全能力値・測定不能】
それだけだった。
「後ろで笛を吹いているだけの奴はいらない」
かつて共に笑い、互いに背中を預け合った仲間たちから無能扱いされ、ネロはついにパーティを追放されてしまう。
失意のまま王都を離れたネロだったが、荒野で魔獣に襲われ、死を覚悟したその時――。
世界の時間が止まり、美しき女神モヒーニカが彼の前へ降臨する。
「可哀想に……よくここまで耐えましたね、愛しい我が子よ」
女神から与えられたのは、失われた伝説のジョブ――
[選ばれし勇者(バード)]。
レベルは0のまま。
ステータスも測定不能。
ところが、その力はあまりにも規格外だった!
音で敵を吹き飛ばし!
音で傷を癒やし!
音で魔力を操り!
その場で必要な術式すら即興で生み出してしまう!?
「……え? 僕の笛って、こんなに強かったの?」
無能だと思っていた自分が、実はとんでもない力を持っていたことを知ったネロ。
やがてネロは辺境の地で美少女エルフと出会い、畑を耕したり、料理をしたり、困っている村人を助けたりしながら、のんびりとした第二の人生を始めることになる。
一方その頃――。
ネロを追放した『暁の刃』では、これまで完璧だったはずの連携が、少しずつ狂い始めていて……?