あらすじ
「王国中から恐れられても構わないのに、リアにだけは嫌われたくないって思うんだ。」
名門魔法使い一族・セレーゼル家の生まれにも関わらずほとんど魔法を使えないリア。
「セレーゼル家の出来損ない」と呼ばれながら魔法学園に通うリアには、10年間ずっと忘れられない少年がいた。
幼い頃、森でいつも一緒に遊んでいた少年――フウ。
魔法が使えないことをバカにされたと泣きじゃくる幼いリアをいつも励ましてくれた優しい男の子。
しかし10年前、フウは何も告げず突然姿を消してしまった。
もう二度と会えないのかもしれない。
そう思っていたリアだったが、誘拐犯に襲われたある日、絶体絶命のリアの前に成長したフウが現れる。
十年前と変わらない優しい空色の瞳。リアの前に現れたフウは強力な魔法を操り、あっという間にリアを救い出してしまう。
「ずっと会いたかった。」
再会を喜び、フウに抱きつくリア。しかし駆けつけた王国兵から衝撃の事実を告げられる。
「そいつは王国指定第1級危険魔法使い、犯罪組織イノセントワールドの首領――フウだ!」
優しかった幼馴染はいつの間にか、王国中から恐れられる最凶の魔法使いになっていた。それでも、
「わかった。リアが嫌ならやめる。」
「十年間会えなくても、リアのことを忘れた日は一日もなかったよ。」
「魔法が使えなくてもリアはリアでしょ?」
なぜかリアにだけは、昔と変わらずに甘い。
王国最凶の魔法使いから一途に想いを寄せられ、リアもまた、危険だと分かっているはずのフウをどうしても嫌いになれない。
それどころか、離れていた十年を埋めるように再びフウと過ごすうち、幼い頃とは違う感情まで芽生え始めてーー
しかし、リアはまだ知らなかった。
王国最凶の魔法使いと落ちこぼれの少女。二人の再会がやがて世界を巻き込む事件の始まりとなることをーー