あらすじ
前世では、音楽が好きなだけの普通の男だった。
歌も、楽器も、作曲も。
憧れはしたけれど、特別な才能なんて何もなかった。
そんな彼が事故で命を落とし、白石奏という少女として転生する。
そして奏は気づいた。
――どうやら今世の自分には、音楽の才能がありすぎるらしい。
絶対音感。
一度聞いた曲はほぼ完全に記憶。
異常な声域と歌唱力。
自由自在な声質。
そして、作詞作曲まで。
自分がどれほど異常なのかは分かっている。
けれど、プロの歌手になりたいわけではない。
芸能界にも興味はない。
ただ、好きな歌を好きなように歌いたい。
だったら――VTuberでいいんじゃない?
そうして誕生した個人勢VTuber『星乃カナデ』。
宣伝なし。
事務所なし。
ゲーム配信なし。
雑談配信もなし。
やることは、ただ一つ。
歌うだけ。
同時接続数三人から始まった彼女の初配信。
しかし、その歌声をたった一度聞いた視聴者が、SNSに切り抜きを投稿したことで――。
これは、音楽の才能だけは誰にも負けない転生少女が、個人勢VTuberとして気ままに歌う物語。