あらすじ
『地元に戻ると、俺がストーカーになっていた』
梅田で人気のケーキ店を経営する、30歳のオーナーパティシエ・しげる。
18歳で故郷・佐渡島を飛び出し、東京、そしてフランスへ。
異国で5年間の修業を積み、帰国後は大阪・梅田で自分の店を開いた。
美しいフランス人女性エレーヌとの婚約も決まり、仕事も恋も順調。
しげるは、過去を振り返ることなく幸せな人生を歩んでいた。
――あの女と再会するまでは。
ある日、梅田の店を訪れた女性。
それは、18歳の頃に好きだった同級生・みさきだった。
12年ぶりの再会。
懐かしさから声をかけたしげるに、みさきは怯えた顔で言った。
「……どうして私を追いかけてるの?」
意味が分からなかった。
しげるは12年間、一度も佐渡へ帰っていない。
それなのに、みさきはストーカー被害を受けていた。
そして地元では、その犯人は「しげる」だと噂されているという。
さらに、12年前。
しげるが佐渡を捨てることになった、あの日にも――隠された真実があった。
初恋の少女に拒絶され、故郷の人間から責められ、何もしていないのに悪者にされた18歳の少年。
その裏で動いていた、嫉妬と嘘。
12年の時を経て、過去の陰謀が再び動き出す。
「俺は、みさきをストーカーなんてしていない」
自分を陥れたのは誰なのか。
なぜ、みさきは今も自分を疑っているのか。
そして真実を知ったとき、しげるは故郷と初恋に何を思うのか――。
これは、過去に人生を壊された男が、真実と向き合い、もう一度自分の人生を取り戻す物語。
初恋の二人が選んだ未来は、決して同じ道ではなかった。