あらすじ
『砂漠堂』
来るはずのなかった台湾で、君と出会った。
仕事や人生にどこか息苦しさを感じながら、日本を離れ、初めて台湾を訪れた青年。
二月の台北。慣れない街を歩く彼は、偶然見つけた――いや、どこかに導かれるようにして、一軒の不思議な店へ辿り着く。
店の名前は「砂漠堂」。
漢字で書かれているその名前が、本当に日本語なのかも分からない。飲食店なのかどうかすら怪しい。ただ、扉には「OPEN」の文字が掲げられていた。
そこで青年は、一人の男と出会う。
どこか掴みどころがなく、それでいて妙に目を引く店の主人。
異国の地で交わした何気ない会話は、青年の心に少しずつ残っていく。