あらすじ
魔法が人々の生活を支えるファテラス王国。
王国からほど近い深い森には、どんな願いでも叶えると噂される一人の魔女がいる。
名はゼラ。
人間嫌いで、皮肉屋で、ティータイムを邪魔されることが何より嫌い。
それでも、普通の魔法ではどうにもならない願いを抱えた者たちは、なぜか彼女の暮らす“集いの家”へ辿り着く。
「弟を、魔法で探してほしいんです」
ある日、ゼラのもとを一人の青年が訪れた。
ゼラなら、彼の願いを叶えられる。
ただし、魔法には必ず“対価”が必要だった。
記憶。感情。大切な人との関係。時には、その存在さえも。
願いのために、人は何を失えるのか。
そして、何かを失った人間は、その先をどう生きるのか。
これは、人間嫌いの皮肉屋魔女と、訳ありの依頼人たちが集う家の物語。
そして彼女が何百年にもわたり書き残した、
願いと“対価”の備忘録である。